理科ドリルは、中学理科・高校化学・高校物理の計算問題だけを集めた、無料の練習アプリです。速さや密度、オームの法則、質量パーセント濃度から、モル計算、運動方程式、運動エネルギーまで、全部で26単元あります。問題の数字はその場で作られ、答えは数字をキーで入れるか、4択から選びます。
理科のテストには、用語を覚えていれば答えられる問題のほかに、公式に数字を当てはめて答えを出す計算の問題もあります。私は家庭教師をしていて、指導のときに「こういう練習ツールがあれば」と感じたものを自分で作り、無料で公開しています。理科ドリルは、この計算の問題だけをくり返し練習するために作りました。
中学理科の計算を練習したい中学生と、化学・物理の計算を練習したい高校生に向けたアプリですが、生徒に限らず誰でも使えます。登録はいらず、スマホやパソコンのブラウザで開けば始められます。
このアプリでできること
- 26単元の計算問題を、その場で作られる数字で解く
- 答え方を「入力」(テンキー)・「4択」・「ノート」(紙に解いて自己採点)から選ぶ
- 1回の問題数を10・15・20・30・50問から選ぶ
- 間違えたら、その場で答えを見て、同じ単元の問題をもう一度解く
- 間違えた単元を「苦手な単元」にためて、そこだけを解く
- 単元ごとの正答率を「苦手ダッシュボード」で見る
- 「大テスト」(26単元すべてから)・「今週のまとめテスト」・「ランダムテスト」(50問・100問)を受ける
- 「ノート」の問題を、答えを入れずにA4で印刷する
- 「引き継ぎID」やGoogleアカウントで、記録を別の端末に移す
中身の一覧
分野は3つで、単元は全部で26です。設定画面では「中学理科」(11単元)・「化学」(7単元)・「物理」(8単元)と表示されます。化学と物理は、高校化学・高校物理の計算です。「分子の数」と「化学反応式の係数」の2単元は4択で、ほかの24単元は数字で答えます。数字で答える単元は、答えが整数か、小数第2位までで割り切れる数になる組み合わせだけが出るので、四捨五入して答える問題はありません。
表の「組み合わせ」は、アプリのプログラムに書かれた数字の選び方を全部たどって、問題文が違うものを数えた数です(答えが割り切れない組み合わせはアプリが出さないので、数えていません)。
中学理科(11単元・1,954通り)
| 単元 | 問題の例 → 答え | 数字の変わり方 | 組み合わせ |
|---|---|---|---|
| 速さ | 52m を 5秒 で進むときの速さ → 10.4(m/s) | 距離 2〜250m、時間 2・4・5・10秒 | 392通り |
| 密度 | 質量 13.5g、体積 5cm³ の物質の密度 → 2.7(g/cm³) | 体積 2・4・5・10・20cm³。答えは 0.5・1・1.5・2・2.7・7.9 のどれか | 30通り |
| 圧力 | 19N の力が 4m² にはたらくときの圧力 → 4.75(Pa) | 力 2〜500N、面積 0.5・1・2・4・5m² | 570通り |
| ばね(フックの法則) | 1N で 2.5cm のびるばねに 4N の力。のびは? → 10(cm) | 1Nあたりののび 0.5・1・2・2.5cm、力 1〜10N | 40通り |
| オームの法則(電流) | 電圧 15V、抵抗 5Ω のときの電流 → 3(A) | 抵抗 2・4・5・10・20Ω。答えは 1〜5A | 25通り |
| オームの法則(電圧) | 電流 0.5A、抵抗 10Ω のときの電圧 → 5(V) | 電流 0.5・1・2・3A、抵抗 2・4・5・10Ω | 16通り |
| 電力 | 電圧 100V、電流 2A のときの電力 → 200(W) | 電圧 4・6・10・100V、電流 0.5・1・2・3A | 16通り |
| 仕事 | 26N の力で 5m 動かしたときの仕事 → 130(J) | 力 2〜50N、距離 2・3・5・10m | 196通り |
| 質量パーセント濃度 | 溶質 27g を水 98g に溶かした質量パーセント濃度 → 21.6(%) | 溶質 5〜50g、水 50〜200g | 293通り |
| 質量保存 | 12g と 7g が反応してできる物質の質量 → 19(g) | 2〜20g と 2〜20g | 361通り |
| 質量比 | マグネシウム 9g が酸素と化合(質量比 マグネシウム:酸素=3:2)。酸素は何g? → 6(g) | 銅:酸素=4:1、マグネシウム:酸素=3:2、鉄:硫黄=7:4 の3つ。金属の質量は比の1〜5倍 | 15通り |
化学(7単元・96通り)
| 単元 | 問題の例 → 答え | 数字の変わり方 | 組み合わせ |
|---|---|---|---|
| モル計算(質量→mol) | NaCl(式量58.5)29.25g は何mol? → 0.5(mol) | H₂O・CO₂・NaOH・NaCl・H₂SO₄・CH₄ の6つ、0.5・1・2・3mol | 24通り |
| 分子の数 | 2mol の分子の数(アボガドロ数 6×10²³) → 12×10²³ 個(4択) | 0.5・1・2・3mol | 4通り |
| 気体の体積 | 標準状態で 2mol の気体の体積(1mol=22.4L) → 44.8(L) | 0.5・1・2・3mol | 4通り |
| モル濃度 | 0.5mol の溶質を水に溶かして 2L にしたモル濃度 → 0.25(mol/L) | 溶質 0.5・1・2mol、体積 0.5・1・2L | 9通り |
| 希釈 | 4mol/L の溶液 20mL を 80mL に薄めた濃度 → 1(mol/L) | 2・4・6mol/L の溶液 10・20・50mL を、2・4・5倍の体積に | 27通り |
| ボイルの法則 | 圧力 2×10⁵Pa・体積 6L の気体を 1×10⁵Pa にしたときの体積(温度一定) → 12(L) | 圧力 1・2・3×10⁵Pa(前と後)、体積 2・4・6L | 23通り |
| 化学反応式の係数 | N₂ + H₂ → NH₃ の係数は? → 1, 3, 2(4択) | H₂ + O₂ → H₂O、N₂ + H₂ → NH₃、C + O₂ → CO₂、CH₄ + O₂ → CO₂ + H₂O、H₂ + Cl₂ → HCl の5つ | 5通り |
物理(8単元・631通り)
| 単元 | 問題の例 → 答え | 数字の変わり方 | 組み合わせ |
|---|---|---|---|
| 等加速度運動(速度) | 初速 5m/s、加速度 3m/s² で 5秒後の速度 → 20(m/s) | 初速 0〜10m/s、加速度 1〜5m/s²、時間 1〜8秒 | 440通り |
| 自由落下 | 自由落下で 3秒後の速さ(g=9.8m/s²) → 29.4(m/s) | 1〜5秒 | 5通り |
| 運動方程式 | 質量 2kg、加速度 7m/s² のときの力 → 14(N) | 質量 2・5・10kg、加速度 1〜9m/s² | 27通り |
| 重力 | 質量 5kg の物体にはたらく重力(g=9.8m/s²) → 49(N) | 質量 1・2・5・10kg | 4通り |
| 運動エネルギー | 質量 4kg、速さ 4m/s の運動エネルギー → 32(J) | 質量 2・4・8kg、速さ 2〜6m/s | 15通り |
| 位置エネルギー | 質量 2kg、高さ 6m の位置エネルギー(g=9.8m/s²) → 117.6(J) | 質量 1・2・5kg、高さ 2〜10m | 27通り |
| 波の波長 | 速さ 340m/s、振動数 10Hz の波の波長 → 34(m) | 速さ 2〜340m/s、振動数 2・4・5・10Hz | 104通り |
| 合成抵抗(直列) | 4Ω と 6Ω を直列接続した合成抵抗 → 10(Ω) | 2・4・6Ω と 2・4・6Ω | 9通り |
26単元を合わせると2,681通りです。同じ回のドリルの中では、同じ問題文がなるべく重ならないように作り直します。ただ、「重力」「気体の体積」「分子の数」は4通り、「自由落下」「化学反応式の係数」は5通りしかないので、この5単元では同じ問題に何度も出会います。
使い方
1. ホームで「今日のドリル」を始める
最初に開いたときは、分野が「中学理科」、出題のしかたが「まるごと」、1回20問、答え方が「入力」になっています。ホームの「今日のドリル」(「はじめる」)を押すと、この設定ですぐに始まります。1日に何回解いてもかまいません。ホームの「これまでの進度」には、ドリルを最後まで解いた日の数(○日達成)と、これまでに解いた問題の数(のべ○問)が出ます。
2. 設定で範囲と答え方を決める
右上の ⚙️ で「せってい」を開き、下の方にある次の項目を選んで「この設定ではじめる」を押します。
- 分野:「中学理科」「化学」「物理」
- 出題のしかた:「📚 単元・範囲をえらぶ」は単元をいくつでも選べて、単元名の横にこれまでの正答率が出ます。「🎲 まるごと」は選んだ分野の全単元から、「📝 大テスト」は26単元すべてから、まぜて出します
- 1回の問題数:10・15・20・30・50問
- こたえかた:「⌨️ 入力」(テンキー)・「🔘 4択」(タップ)・「📝 ノート」(書いて採点)
「分子の数」と「化学反応式の係数」は、「入力」を選んでいても4択で出ます。
3. 問題を解く
上に単元名と答えの単位、その下に問題が出ます。答えは数字だけを入れて「こたえる」を押します。小数は「.」のキーで入れ、何も入れていないときに押すと「0.」から始まります。「2.0」と「2」、「0.50」と「0.5」は同じ答えとして正解になります。
正解なら「⭕ 正解!」、間違えたら「❌ こたえは ○○」と、その場で答えが出ます。「つぎへ」で次の問題に進みます。間違えると、同じ単元の問題がその場で1問作られて、最後に足されます(1回のドリルで5問まで)。右上の「1 / 20」が「1 / 21」に増えるのは、このためです。
途中でやめるときは、左上の ✕ から「やめる」を押します。それまでの正誤は記録に残りますが、苦手な単元と達成日数が変わるのは、最後まで解いたときだけです。
4. 結果を見て、間違えた所をもう一度
最後の問題で「結果を見る」を押すと、正答率、正解とまちがいの数、「単元べつの正答率」、「まちがえた問題」とその答えが出ます。「まちがいだけ もう1回」を押すと、間違えた問題と同じ単元の問題を作り直して、もう一度解けます。
5. 苦手な単元をつぶす
ドリルで1問でも間違えた単元は、「苦手な単元」に入ります。ホームの「苦手な単元」を押すと、苦手な単元だけで10〜20問のドリルになります。ふつうのドリルでも、苦手な単元はほかの単元の3倍出やすくしてあります。
苦手な単元から外れるのは、その単元が出たドリルで3回続けて、その単元の問題を全問正解したときです(1問でも間違えると数え直し)。「苦手ダッシュボード」では、単元ごとの正答率が「苦手(60%未満)」「あと一歩」「得意(80%以上)」の3色で表示され、苦手な単元には「あと○回の全問正解で卒業」と出ます。
6. まとめてテストする
- 大テスト:「出題のしかた」で「📝 大テスト」を選ぶと、ホームのボタンが「大テストを受ける」に変わります。26単元すべてから、「1回の問題数」の数だけ出ます
- 今週のまとめテスト:その週(月曜日から)にやった単元から出ます。問題数は、やった単元の数×5問で、10〜30問です
- ランダムテスト:ホームの「学校のテスト練習」から、50問(じっくり)か100問(本番モード)を選んで解きます
設定画面の説明にもあるとおり、大テストで弱いところを見つけ、その単元を「単元・範囲をえらぶ」でつぶす流れがおすすめです。
7. ノートに解く・印刷する
答え方で「📝 ノート」を選ぶと、問題が一覧で出ます。ノートに全部解いてから「答えを見る」を押し、合っていた問題の「合っていた」をタップして、「採点して記録する」を押します。「🖨️ プリントする(問題だけ・答えは出ません)」を押すと、A4に2列で問題が並び、なまえ・日づけ・とくてんの欄がついた用紙が別の画面で開きます。
こう作ってある理由
できるようになったかどうかは、勉強した時間ではなく、解いてみた点数で判断するものだと私は考えています。計算の問題でめざしているのは、問題を見たらすぐに解ける状態です。
間違えたら、その場で答えを見て、もう一度解く。 間違えたらすぐに確かめ、できなければもう一度確かめる、という進め方を私はすすめています。そのため、答えは1問ごとにその場で出て、間違えた単元の問題は最後にもう1問出ます。バトラーとローディガーの大学生の実験では、テストのあとに答え合わせをした方が、1週間後の正解が多くなりました(答え合わせなし31%、1問ごとにすぐ45%、テストが終わってからまとめて56%)。理科ドリルでも、結果の画面で間違えた問題と答えをまとめて見られます。
1回できただけでは、苦手な単元から外さない。 カーピックとローディガーが大学生にスワヒリ語と英語の単語40組を覚えてもらった実験では、一度言えた単語もその後テストし続けた組は、1週間後に約80%を答えられました。テストから外した組は36%と33%でした。1週間後にいくつ覚えているかという本人たちの予想は、どの組も約半分で差がなく、自分の感覚では違いが分からなかったことになります。苦手な単元を3回続けての全問正解まで残す作りや、大テスト・今週のまとめテストは、この「テストし続ける」と同じ向きです。なお、3回という数は研究から決めたものではありません。
理科の授業でも、小テストに出た内容の方ができた。 マクダニエルらは、アメリカの中学2年生の理科の授業で、習う内容の一部だけを選択式の小テストに出しました。あとの単元テストでは、小テストに出た内容の正答率が92%、出なかった内容が79%でした(実験1)。ただし、小テストと単元テストで同じ問題が使われていたため、効果が出やすい条件だったと著者も書いています。理科ドリルも、読むのではなく、解いて確かめる形だけで作っています。
単元ごとの正答率を残す。 くり返す回数に決まりはなく、目安は点数です。単元ごとの正答率が残るので、どの単元ができていて、どの単元がまだなのかを数字で確かめられます。
よくある質問
無料ですか?
無料です。料金や課金の仕組みはありません。
登録はいりますか?
いりません。最初に問題に答えたときに、「ABCD-2345」のような8文字の「引き継ぎID」が自動で作られ、記録はこのIDにひもづきます。名前やニックネームの入力も任意です。
記録はどこに残りますか?
使っている端末のブラウザと、アプリのサーバーの両方に残ります。サーバーに送るのは、進み具合(単元ごとの正解数など)と設定、入れた場合は名前とランキング用のニックネームです。使い道は、進み具合の保存・端末どうしの同期・機種変更のときなどの復元で、くわしくはプライバシーポリシーに書いています。個人情報の開示・訂正・削除のご依頼は、プライバシーポリシーにあるお問い合わせ先で受け付けています。
機種を変えても続きからできますか?
できます。設定の「あなたの引き継ぎID」を控えておき、新しい端末の設定で「別の端末のIDで引き継ぐ」を押して、IDを入れて「引き継ぐ」を押します。「🔒 Googleアカウントで守る(任意)」で連携しておくと、IDを控えていなくても、Googleアカウントから記録を戻せます。
スマホで使えますか?
使えます。スマホの画面に合わせて作ってあり、ブラウザで開くだけでインストールはいりません。パソコンやタブレットでも使えます。
印刷できますか?
できます。答え方を「ノート」にして始め、「🖨️ プリントする」を押してください(答えは印刷されません)。印刷の画面が出ないときは、開いた画面の「🖨️ 印刷する」か、共有からプリントを選んでください。
解き方の説明は出ますか?
出ません。出るのは答えだけです。間違えた問題は、公式や解き方を自分で調べてから、同じ単元をもう一度解いてください。
ランキングに名前が出ますか?
「ランキングに載せる」を選んだときだけ、ランキング用のニックネームと、達成日数・のべ問題数が載ります。設定の「名前(先生に伝える用・任意)」がランキングに出ることはありません。ニックネームに本名は使わないでください。
参考
- Butler, A. C., & Roediger, H. L. (2008). Feedback enhances the positive effects and reduces the negative effects of multiple-choice testing. Memory & Cognition, 36(3), 604–616.
- Karpicke, J. D., & Roediger, H. L. (2008). The critical importance of retrieval for learning. Science, 319(5865), 966–968.
- McDaniel, M. A., Agarwal, P. K., Huelser, B. J., McDermott, K. B., & Roediger, H. L. (2011). Test-enhanced learning in a middle school science classroom: The effects of quiz frequency and placement. Journal of Educational Psychology, 103(2), 399–414.