「正負の数は乗り越えたのに、今度は文字が出てきて意味不明…」

文字式って、実は難しい単元じゃない。最初の「書き方のルール」を1回ちゃんと覚えれば、あとはずっとそのルールを使うだけ なんだ。逆に言うと、ここを雑にすると、方程式、中2の連立方程式や一次関数、中3の展開・因数分解まで、ずっとぐらつきやすい。

この記事では、まず文字式の 「書き方」のルール を3つ、次に 「計算」 でまちがえやすいところを3つ、順番に直していこう。

この記事でできるようになること
・a×3 を 3a、a÷3 を分数、a×a を a² と、決まりどおりに書ける
・3x + 2 がなぜ 5x にならないのかがわかる
・かっこの前のマイナスや、分数の形の式でも、符号をまちがえずに計算できる
・「項で切る」3ステップで、文字式のたし算・ひき算をいつも同じ手順で解ける
・練習問題6問(答えと考え方つき)

なぜ文字式でつまずくのか

つまずく原因は「頭が悪いから」じゃないよ。ルールを使う練習がまだ足りていないだけ。正負の数と同じで、文字式も「知ってる」と「できる」の間に練習が必要なんだ。だから今日は手を動かしてもらう。

👦
先生、a×3 って 3a でいいんですか? a3 じゃダメなんですか?
👨‍🏫
超いい質問。そこがまさに最初の関門。答えは 3a が正解。なぜ「数字が前」なのか、順番に見ていこう。

書き方のルール① 数字と文字の順番(a×3 → 3a)

かけ算の「×」は省略するんだけど、書く順番にルールがある。

ルール1:×は省略、数字を前・文字を後ろ
・かけ算の「×」は書かない
・数字(係数)を前、文字を後ろに書く
・例:a×3 → 3a(3×a と同じ意味)
よくある間違い

a×3 = a3
(文字を前に書いてしまう)

正しい書き方

a×3 = 3a
(数字が前、文字が後ろ)

数字を文字の前に書くのは、文字式の決まり。それに「a3」と書くと、正負の数で習った累乗の書き方(a³ = aの3乗)とも見まちがえやすいよね。ただの丸暗記じゃなくて、「なるほど」で入れておこう。

書き方のルール② わり算は「÷」じゃなく分数(a÷3 → a/3)

次はわり算。文字式では「÷」も使わない。じゃあどうするか?分数にするんだ。

ルール2:÷は分数に直す
・わり算の「÷」は書かない
・わられる数を分子、わる数を分母にする
・例:a÷3 → a/3(3分のa)
よくある間違い

a÷3 = a÷3 のまま
(記号を残してしまう)

正しい書き方

a÷3 = a/3
(分数の形にする)

※この記事では画面の都合で「a/3」のように横に並べて書いているけど、ノートやテストでは、横線の上に a、下に 3 を書く分数の形で書こう。

ここでのポイントは 「かけ算は×を消すだけ、わり算は形を変える」 という違い。同じ「省略」でも作業が違うから、ごちゃ混ぜにしないでね。

書き方のルール③ 同じ文字のかけ算は累乗(a×a → a²)

3つ目。異なる文字 はそのまま並べる(a×b → ab、ふつうはアルファベット順)。でも 同じ文字 をかけたら?

ルール3:同じ文字のかけ算は指数(累乗)で
・a×b → ab(違う文字は、ふつうアルファベット順に並べる)
・a×a → a²(同じ文字は2乗)
・a×a×a → a³(3回かけたら3乗)
よくある間違い

a×a = 2a
(かけ算なのに足してしまう)

正しい書き方

a×a = a²
(同じ文字のかけ算は2乗)

「a×a = 2a」はまちがえやすいところ。2a は a + a(足し算)の答え で、a×a(かけ算)とは別物だよ。ここは混ざりやすいから、声に出して「足したら2a、かけたらa²」と10回唱えてみて。

計算でまちがえやすいところ3つ

書き方のルールがわかったら、次は計算。ここからは、文字式の計算でまちがえやすいところを順番に見ていこう。

① 文字と数を足してしまう(3x + 2 = 5x)

まずはこれ。3x + 2 を 5x と書いたら、テストでは×になる。

よくある間違い

3x + 2 = 5x

正しい答え

3x + 2 (これ以上まとめられない)

「え、なんで足せないの?」と思った人も大丈夫。

👦
3xと2があるから、3+2で5x じゃないんですか?
👨‍🏫
じゃあ聞くけど、「3本のえんぴつ」と「2個のケーキ」を足したら「5本のえんぴつ」になる?
👦
…ならないです
👨‍🏫
それが答え。xは「単位」だと思えばいい。単位が違うものは足せないんだ

3x は「x が 3個」。2 は「1 が 2個」。種類が違うから足せない。

だから足せるのはこういうときだけ。

最後の「x と x² は足せない」は中2・中3の計算で効いてくるので、今のうちに頭に入れておくと得するよ。

合言葉
「文字の部分がぴったり同じ項だけ、まとめられる」
x と x はOK。x と y はダメ。x と x² もダメ。x と数もダメ。

② かっこの前のマイナスで、符号を変え忘れる

ここも符号をまちがえやすいところ。

よくある間違い

5x − (2x − 3)
= 5x − 2x − 3
= 3x − 3

正しい解き方

5x − (2x − 3)
= 5x − 2x + 3
= 3x + 3

かっこの前がマイナスのとき、かっこの中の符号を「全部」ひっくり返す。最初の項だけじゃなくて、全部。

なぜか。−(2x − 3) は「−1 × (2x − 3)」ということだから、中身のひとつひとつに −1 をかけることになる(分配法則)。

「マイナス×マイナス=プラス」のルールがここで効いてる。正負の数がぐらついている人は、ここで崩れやすい。

おすすめの書き方
かっこの前がマイナスだったら、いきなり外さないで
かっこの中の符号にぐるっと丸をつけてから外す。
「ここ全部ひっくり返すぞ」と目で確認してから外すと、符号の変え忘れを防げるよ。

③ 分数の形の式で、分子にかっこをつけ忘れる

分数の形の式のひき算で起きるミス。

よくある間違い

(3x + 1)/2 − (x − 2)/2
= (3x + 1 − x − 2)/2
= (2x − 1)/2

正しい解き方

(3x + 1)/2 − (x − 2)/2
= {(3x + 1) − (x − 2)}/2
= (3x + 1 − x + 2)/2
= (2x + 3)/2

分数のひき算で、うしろの分子にかっこをつけずに書いてしまうのが原因。結局これも②と同じミスなんだ。分子を引くときは、分子ぜんぶにマイナスがかかる。

分数のひき算が出てきたら、分子には必ずかっこをつける。 これを癖にしよう。

文字式のたし算・ひき算は「項で切る」3ステップで

じゃあ、実際どう解くか。手順を固定しよう。この順番でやれば、迷わない。

文字式・3ステップ
① かっこを外す(かっこの前がマイナスなら中の符号を全部変える)
② +の前で式を「切って」、項に分ける(−は「+(−)」だと思って切る)
③ 同じ種類の項どうしだけをまとめる(文字の部分が同じ項は係数を足し引きする。数だけの項は数どうしで計算)

ポイントは②。「項に切る」を目で見える形でやること。

例:4x − 3 − (x − 5) を解いてみる。

① かっこを外す

4x − 3 − x + 5(かっこの前がマイナス → 中の x は −x に、−5 は +5 に。全部ひっくり返す)

② 項に切る

4x | −3 | −x | +5(マイナスは「その項の一部」。切ったときにマイナスも一緒に連れていく。ここを置いていくとミスになる)

③ 同じ種類でまとめる

→ 答え 3x + 2

ここだけは守って
マイナスは、その項の「持ち物」。
−3 を切り出すときは「3」じゃなく「−3」でセット。
これを守れば、項を切り出すときの符号の置き忘れを防げるよ。

練習問題(6問)

ルールを「知ってる」だけじゃ点は取れない。ノートに書いて、実際に手を動かしてみよう。

練習問題(書き方)
次の式を、文字式のルールにしたがって書き直そう。
問1 x×5
問2 y÷4
問3 b×b×7
練習問題(計算)
「項で切る」3ステップの順番どおりに計算しよう。
問4 7a + 4 − 3a − 9
問5 2(3x − 1) − (4x − 5)
問6 (5x + 2)/3 − (2x − 4)/3

考えてから下を見てね。


答えと考え方

問1〜問3(書き方)
問1 5x …数字を前、文字を後ろ(ルール1)
問2 y/4 …わり算は分数(ルール2)
問3 7b² …同じ文字b×bは b²、数字7は前(ルール1+ルール3)

問3ができたら完璧。2つのルールを同時に使えてるってことだよ。

問4 7a + 4 − 3a − 9

答え:4a − 5

※ここで「4a − 5 = −a」みたいにしちゃう人は、計算の①(文字と数を足してしまう)が残ってる。a と数はまとめられない。ここで終わりだよ。

問5 2(3x − 1) − (4x − 5)

答え:2x + 3

※「−(4x − 5) = −4x − 5」としてしまった人は、計算の②。かっこの中は全部ひっくり返す。

問6 (5x + 2)/3 − (2x − 4)/3

分母が同じなので、分子をまとめる。ただしうしろの分子にかっこをつける。

{(5x + 2) − (2x − 4)}/3
= (5x + 2 − 2x + 4)/3
= (3x + 6)/3
= x + 2

※最後は3で約分できる。(3x + 6)/3 は「3x も 6 も 3 で割れる」から x + 2。約分できるときは、最後まで約分して答えよう。

覚え方は「テスト繰り返し法」で

文字式のルールや手順は「理解する」だけじゃ点にならない。手が勝手に正しい順番で動くところまでいって、はじめてテストで点になる。だから覚えるときは、「ながめて覚える」より「テストして覚える」 のがおすすめだよ。

テスト繰り返し法
1. 教科書やワークの問題を5〜10問えらんで、時間を測って解く(書き方のルールなら、式をノートに書き直してみる)
2. すぐ丸つけ。間違えたものだけにチェック
3. 翌日、チェックした問題だけもう一度解く
4. 2日続けて正解できたらチェックを消す
5. チェックが全部消えるまで繰り返す

「まず覚える時間を取ってから解く」より、先にテストして、間違えたものだけ潰す。ながめているだけだと、わかったつもりになりやすいからね。書いて、間違えて、直す ——この回数を積み重ねよう。1日5〜10分でいいから、コツコツね。

まとめ

今日のポイント
① かけ算の×は省略、数字が前・文字が後ろ(a×3 = 3a)
② わり算の÷は使わず分数に(a÷3 = a/3)
③ 同じ文字のかけ算は累乗(a×a = a²、足し算の2aと区別)
④ 3x + 2 は 5x にならない。文字の部分がぴったり同じ項だけまとめられる
⑤ かっこの前がマイナスなら、中の符号を「全部」ひっくり返す。分数のひき算は、うしろの分子に必ずかっこ
⑥ 手順は「かっこを外す → 項に切る → 同じ種類だけまとめる」。マイナスは、その項の持ち物

文字式の書き方と計算は、中2・中3の数学でずーっと使う「言葉」みたいなもの。ここが固まっていれば、方程式も関数も進めやすい。逆にここが曖昧なままだと、単元が変わるたびに同じところで転びやすい。

文字式のどこでつまずいているのかを一緒に確かめたいときは、気軽に相談してね。

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この記事を書いた人:六田 佳志(ろっく先生)

福岡の個人家庭教師・学習アプリ制作者。生徒の「どこでつまずいたか」を毎週の指導で見てきた実例をもとに、テストで実際に失点しやすいポイントだけを解説しています。指導実例はT君の合格ストーリー、プロフィール詳細は運営者情報へ。