「電流と電圧、どっちがどっちか分からなくなる…」

「オームの法則って、V=RI? I=V/R? どれを使えばいいの?」

「直列と並列で、ルールが逆になるのが意味わからん…」

中2理科の電気の単元、電流と電圧、そして直列回路と並列回路は、「なんとなく」のまま通り過ぎてしまいやすいところなんだ。公式は覚えているのに点が取れないなら、電流と電圧の“イメージ”があいまいなまま、公式に数字を入れているのかもしれない。今日はそこから順番に解決していこう。

この記事でできるようになること
・電流と電圧の違いを一言で説明できる
・オームの法則 V=RI を迷わず使い分けられる
・直列回路か並列回路かを見分けて、それぞれのルールで計算できる

電流と電圧は「別のもの」——水の流れでイメージしよう

まずここ。イメージができていないと、この先ずっとフワフワしたまま進むことになる。

👦
電流と電圧、どっちも「電気の強さ」じゃないんですか?
👨‍🏫
似てるようで役割が全然違うんだ。水の流れでたとえると一発でわかるよ。
水の流れでたとえると…
・電圧(V/ボルト)=水を押し出す「勢い・高さ」。電流を流そうとするはたらき。
・電流(A/アンペア)=実際に流れる「水の量」。
・抵抗(Ω/オーム)=水路の「細さ・流れにくさ」。
電流は“どれだけ流れているか”、電圧は“どれだけ押しているか”。測る場所も道具も別なんだ。

ここを混同すると、この後の直列・並列の話が全部あやしくなる。まずは「電流=量、電圧=勢い」とだけ覚えて先に進もう。

そして、電圧(押すはたらき)が大きいほど電流(流れる量)は増える。でも、抵抗(流れにくさ)が大きいほど電流は減る。この関係を式にしたのがオームの法則なんだ。

オームの法則は「V=RI」ひとつ覚えて変形する

👦
V=R×I は覚えたけど、抵抗を求める問題になると急に解けなくなります…
👨‍🏫
覚えた形のまま止まっているからだね。求めたいものに合わせて、式を変形できるようにしておこう。

オームの法則は V=R×I(電圧=抵抗×電流)。求めたいものに合わせて、次の3つの形で使う。

オームの法則の3つの形
① V = R × I (電圧 = 抵抗 × 電流)
② I = V ÷ R (電流 = 電圧 ÷ 抵抗)
③ R = V ÷ I (抵抗 = 電圧 ÷ 電流)

「3つも覚えられない!」ってなるよね。でも大丈夫。覚えるのは①の「V=RI」ひとつだけでいい。あとは求めたいものを□にして、式を変形すれば全部出てくる。

1つだけ覚えるコツ
「V=RI」だけ覚える。
・電流 I を知りたい → V=RI の I を求める → I = V ÷ R
・抵抗 R を知りたい → V=RI の R を求める → R = V ÷ I
※方程式を解くときと同じ。数学で習った「両辺を同じ数でわる」がそのまま使えるよ。

「理科は理科、数学は数学」と別物にしがちだけど、ここは中1の方程式や中2の等式の変形とまったく同じ。数学の力がそのまま使えるんだ。

変形に自信がないときは、「三角の図」で確かめよう。

オームの法則・三角の図
上に V、下に R と I を並べる。
・電圧を求める → V = R × I(下の2つをかける)
・電流を求める → I = V ÷ R(上のVを、残ったRで割る)
・抵抗を求める → R = V ÷ I(上のVを、残ったIで割る)
求めたいものを指で隠すと、残った2つの並びがそのまま式になる(横に並んでいたらかけ算、上下ならわり算)、と覚えるとラク。

計算の前に、単位を書いてそろえる

オームの法則に数字を入れる前に、単位を確認しよう。

数字のうしろに V・A・Ω を書く

「V=RI」のVに電流の値を入れちゃう、みたいなミスは、単位を書くクセをつけると防げる。数字のうしろに必ず V・A・Ω を書く。そうすれば「あれ、Vの場所にAが入ってる、おかしいぞ」と自分で気づけるんだ。

mA・kΩ は直してから計算する

問題文に「200mA」「2kΩ」と書いてあるのに、そのまま200や2で計算しちゃう。ここも失点しやすいところだよ。

よくある間違い

「200mA」をそのまま 200 で計算
→ 答えが1000倍ずれる

正しい解き方

1000mA = 1A なので
200mA = 0.2A に直してから計算

単位の直し方(ここだけ暗記)
・1000mA = 1A(ミリは0が3つぶん小さい)
・1kΩ = 1000Ω(キロは0が3つぶん大きい)

直列回路と並列回路:見分け方と「何が同じか」

回路が2つ以上つながると、「どこの電流?どこの電圧?」が分からなくなる。まずは見分け方から。

電流の通り道が一本道なら直列、途中で枝分かれしていたら並列。回路図を見たら、まず指で電流の道をなぞってみるといいよ。

見分けたら、次はルール。直列と並列は、ルールがちょうど真逆になっている。だから片方を覚えても、もう片方でひっくり返って混乱しやすい。

よくある間違い

「直列は電圧が同じ、並列は電流が同じ」
…と逆に覚えてしまう。テスト中に自信がなくなって、当てずっぽうで書く。

正しいルール

直列は「電流」がどこでも同じ
並列は「電圧」がどこでも同じ
この2行だけ、丸ごと覚える。

なぜそうなるのか、意味で押さえると忘れない。

直列回路のルール
・電流はどこでも同じ(道が1本。水が枝分かれしないから、どこを測っても同じ)
・電圧はそれぞれの部品で分け合う(足すと全体の電圧)
・全体の抵抗=各抵抗の和
並列回路のルール
・電圧はどこでも同じ(同じ2点の間にわたしているから、どの枝も同じ)
・電流は分かれ道で分かれる(足すと全体の電流)
・全体の抵抗は各抵抗より小さくなる
語呂で一発:「直流(ちょくりゅう)・並圧(へいあつ)」
直列は電流が同じ → 「ちょく・りゅう」
並列は電圧が同じ → 「へい・あつ」
テストの最初に問題用紙のすみに書いてしまえば、もう迷わない。
※ここでの「直流」は覚えるための語呂。電流の種類の「直流・交流」とは別の話だよ。

回路全体の抵抗:直列は足す、並列は小さくなる

回路全体の抵抗(合成抵抗)を求める問題も、直列と並列でルールが違うから混乱しやすい。

よくある間違い

並列回路なのに、抵抗をそのまま足してしまう。
「10Ωと10Ωだから20Ω!」…これは直列のときのやり方。

正しい考え方

直列:抵抗はそのまま足す(R=R₁+R₂)。
並列:全体の抵抗はどの抵抗よりも小さくなる。道が増えて流れやすくなるから。

中学レベルでは、並列は「電圧が同じ」を手がかりに、各枝の電流を出して合計するやり方が確実。公式を丸暗記するより、意味で解くほうが応用問題に強い。

例題 10Ωと15Ωの抵抗を直列につなぎ、全体に5Vの電圧を加えた。回路に流れる電流は何A?

解き方の手順
① 直列なので全体の抵抗は足す:10+15=25Ω
② オームの法則で電流:I = V ÷ R = 5 ÷ 25 = 0.2A
直列は「電流がどこでも同じ」だから、この0.2Aがどちらの抵抗にも流れているよ。

回路の問題を解く順番

回路の問題は、わかっているものを図に書き込みながら、この順で埋めると迷わない。

回路問題・3ステップ
① まず「直列か並列か」を判定する(枝分かれしてる?)
② ルールを書き込む:直列=電流が同じ/並列=電圧が同じ
③ わかっている値からオームの法則で1つずつ求める

この順番を守るだけで、「どこから手をつけるかわからない」がなくなる。単位のミスや、どこの電流・電圧かの取り違えは、あわてて計算に飛びついたときに起きる。図に書き込んでから計算、を徹底しよう。

練習問題(3問)

読むだけだと分かった気になって終わっちゃう。手を動かすのがいちばん大事。ノートに書いて解いてみて。

問題1(基本)
抵抗が 20Ω の電熱線に、6V の電圧を加えた。流れる電流は何A?
解答1
求めたいのは電流 I。V=RI を変形して I=V÷R。
I = 6 ÷ 20 = 0.3A
(単位はV÷Ω=Aで合ってるね)
「ミリアンペア(mA)」で聞かれたら 300mA。単位の変換(1A=1000mA)もよく問われるよ。
問題2(単位の変換つき)
ある電熱線に 3V を加えたら、150mA の電流が流れた。この電熱線の抵抗は何Ω?
解答2
まず単位変換。150mA = 0.15A。
求めたいのは抵抗 R。R=V÷I。
R = 3 ÷ 0.15 = 20Ω
※もし150のまま計算すると R=0.02Ωになって大ハズレ。単位変換が命!
問題3(直列回路)
10Ω と 20Ω の抵抗を直列につなぎ、全体に 6V を加えた。
(1) 全体の抵抗は何Ω? (2) 回路に流れる電流は何A?
解答3
(1) 直列は抵抗の和。10+20=30Ω
(2) 電流 I=V÷R=6÷30=0.2A
直列は電流がどこでも同じだから、この0.2Aが両方の抵抗に流れているよ。

3問とも解けたら、電気の基本はバッチリ。解けなかった問題は、上の説明に戻って自分がどこで引っかかったか確認してみよう。

覚え方のコツ——「すぐテスト」で定着させる

公式や単位変換を覚えるとき、教科書を眺めているだけの時間は、なかなか頭に残らないんだ。おすすめは「すぐテスト法」。

すぐテスト法
① 「V=RI」「1000mA=1A」を1回ノートに書いて覚える
② 教科書を閉じて、すぐ何も見ずに書いてみる
③ 間違えたものだけ、もう1回だけテストする
→ 覚える時間より「思い出す時間」を増やすのがコツ

「覚えてから解く」んじゃなくて「解きながら覚える」。この順番にするだけで定着スピードが変わるよ。

まとめ

今日のポイント
・電圧=押すはたらき、電流=流れる量、抵抗=流れにくさ(水の流れでイメージ)。測り方も別
・オームの法則は「V=RI」ひとつだけ覚えて変形(三角の図で確かめてもいい)
・計算の前に単位を書いてそろえる(mA→A、kΩ→Ω)
・直列は電流が同じ・並列は電圧が同じ(語呂:直流・並圧)
・全体の抵抗は、直列は足す/並列はどの抵抗よりも小さくなる
・「直列か並列か → ルール書き込み → 計算」の順で解く

電流と電圧の単元は、一度ルールを整理すれば一気に得点源になる。逆に「なんとなく」で放置すると、このあと習う電力・電力量の計算まで全部あいまいになる。上の練習問題をスラスラ解けるようにしておこう。

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この記事を書いた人:六田 佳志(ろっく先生)

福岡の個人家庭教師・学習アプリ制作者。生徒の「どこでつまずいたか」を毎週の指導で見てきた実例をもとに、テストで実際に失点しやすいポイントだけを解説しています。指導実例はT君の合格ストーリー、プロフィール詳細は運営者情報へ。