夏休みに入ったね。大野城市・春日市のご家庭からこの時期いちばん多い相談が、これ。

「連立方程式、計算はできるんです。でも文章題になると全然手が動かなくて…」

これ、めちゃくちゃ多い。そして安心してほしいんだけど、頭が悪いわけでも、センスがないわけでもない。ただ「文章を式に変える手順」を誰にも教わってないだけなんだ。

計算のやり方(加減法・代入法)は学校でしっかり習う。でも「文章題の式の立て方」は、なぜか「がんばって考えよう」で終わりがち。だから今日はその手順を、はっきり形にして渡します。

33%
福岡県公立入試の配点に占める中2内容
2本
立てるべき式の数(1本で止まる子が多い)

福岡県の公立入試は、中1内容が約22%、中2内容が約33%、中3内容が約45%。しかも文章題では「割合」がよく出る。つまり連立方程式の文章題は、夏休みに直すと入試まで効き続ける単元ってこと。今やる価値、めちゃくちゃ高いよ。


まず結論:文章題は「表を書いてから式」

先に手順だけ言っておくね。これだけ守れば式は立つ。

連立方程式 文章題・3ステップ
① 聞かれているものを x, y とおく
(「〜を求めなさい」の〜をそのまま x, y にする)

② 表を書いて、数字と文字を埋める
(速さなら「速さ・時間・道のり」、食塩水なら「濃度・食塩水・食塩」)

③ 「=」で結べるところを2か所さがす
(表のタテかヨコの合計が、たいてい式になる)

いきなり式を書こうとするから止まるんだ。式の前に表。順番はこれだけ。


つまずき①:何を x, y にするか決められない

いちばん多いのがこれ。文章を3回読んで、xを何にするか決まらないまま時間が過ぎるパターン。

👦
先生、xって何にすればいいんですか。毎回わかんなくなる
👨‍🏫
悩まなくていい。問題文の最後を見て、「◯◯を求めなさい」の◯◯をそのまま x と y にする。それで9割いける

「求めなさい」の中身が2つあるから、連立方程式なんだ。1つならふつうの一次方程式で足りる。2つ聞かれてる=x と y の担当が最初から決まってる、ってこと。

よくある間違い

「え〜っと、xは…全体の道のり…?いや時間…?」
→ 決められないまま図をながめて5分経過

正しい進め方

問題文の最後を読む。
上りと下りの道のりを求めなさい」
→ 上り x km、下り y km。即決。


つまずき②:単位がそろっていない(分と時間、kmとm)

式は立ったのに答えが合わない子は、だいたいここでやられてる。

時速3km で歩いた時間を出すのに、答えを「分」で書かれてたら、そのまま計算しちゃダメ。時速なら時間は「時間」でそろえる。20分は $\frac{20}{60}=\frac{1}{3}$ 時間だよ。

単位のチェックはこの1行
式を書き終わったら、「時速」なら時間は"時間"、「分速」なら時間は"分" になっているか声に出して確認する。これだけでミスが激減する。

つまずき③:割合を「もとの数」にかけていない

割合の文章題で沈む子の共通点がこれ。

「男子が 5%増えた」を、0.05 とだけ書いてしまう。違うんだ。5%増えたのは、去年の男子の人数の5%。だから式は 0.05 × (去年の男子) になる。

よくある間違い

男子5%増、女子3%減で全体9人増
0.05 - 0.03 = 9
(何の5%なのか消えている)

正しい式

去年の男子 x 人、女子 y 人
0.05x - 0.03y = 9
「誰の何%か」を必ず文字にくっつける

割合には必ず「の」がつく。「x 5%」。この"の"を忘れなければ、式は勝手に正しくなる。


例題1:速さの文章題(表で解く)

A町からB町まで12kmの道のりを歩いた。途中の峠までは時速3kmの上り、峠からB町までは時速5kmの下りで、全部で3時間かかった。上りと下りの道のりをそれぞれ求めなさい。

ステップ①:聞かれているものを x, y に

「上りと下りの道のりを求めなさい」 → 上り x km、下り y km

ステップ②:表を書く

速さの問題は、必ずこの3つの表を書く。

上り 下り 合計
道のり(km) x y 12
速さ(km/時) 3 5
時間(時間) x/3 y/5 3

時間は「道のり ÷ 速さ」だから、上りは $\frac{x}{3}$、下りは $\frac{y}{5}$。表を埋めるだけで、時間の欄が勝手に出てくるでしょ。これが表を書く理由

ステップ③:「=」で結べるところを2か所

表の右端(合計の列)を見て。道のりの合計=12時間の合計=3。式が2本、目で見つかった。

$x + y = 12$ $\frac{x}{3} + \frac{y}{5} = 3$

下の式を15倍して分数を消す:$5x + 3y = 45$

上の式を3倍:$3x + 3y = 36$

引き算して $2x = 9$、よって $x = 4.5$、$y = 7.5$。

答え:上り 4.5km、下り 7.5km
検算:4.5 ÷ 3 = 1.5時間、7.5 ÷ 5 = 1.5時間 → 合計3時間 ✓
文章題は必ず検算する。問題文に書いてある数字(12km・3時間)に戻せるか確かめれば、その場で正誤がわかる。

例題2:割合の文章題(福岡入試頻出タイプ)

ある中学校の去年の生徒数は500人だった。今年は男子が5%増え、女子が3%減ったので、全体では9人増えた。去年の男子と女子の人数をそれぞれ求めなさい。

ここが最大の落とし穴

割合の問題は、「去年」を x, y にする。今年を x にすると式がぐちゃぐちゃになる。

理由はかんたんで、「5%増えた」の基準が去年だから。基準になっている方を文字にする——これが割合の文章題の鉄則。

表を書く

男子 女子 合計
去年(人) x y 500
増減 +0.05x −0.03y +9

もう式が見えてるね。

$x + y = 500$ $0.05x - 0.03y = 9$

下の式を100倍:$5x - 3y = 900$

上の式を3倍:$3x + 3y = 1500$

足して $8x = 2400$、よって $x = 300$、$y = 200$。

答え:去年の男子 300人、女子 200人
検算:300の5%=15人増、200の3%=6人減 → 15 − 6 = 9人増 ✓
ちなみに「今年の人数を答えよ」と聞かれたら 315人と194人。求めたxで満足して答えを間違える子が本当に多い。最後にもう一度、問題文の「何を求めなさい」を読み直すこと。

練習問題:やってみよう(食塩水)

同じ手順でいけるか、自分で試してみて。

5%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて、8%の食塩水を300g作りたい。それぞれ何g混ぜればよいか。

ヒント:表はこう。

5%の食塩水 10%の食塩水 混ぜた後
食塩水(g) x y 300
濃度 0.05 0.10 0.08
食塩(g) 0.05x 0.10y 24
▶ 答えを見る

食塩水の合計:$x + y = 300$ 食塩の合計:$0.05x + 0.10y = 300 \times 0.08 = 24$

下の式を100倍:$5x + 10y = 2400$ → 5で割って $x + 2y = 480$

上の式を引くと $y = 180$、よって $x = 120$。

答え:5%の食塩水 120g、10%の食塩水 180g

検算:$120 \times 0.05 = 6$g、$180 \times 0.10 = 18$g、合わせて24g。24 ÷ 300 = 0.08 = 8% ✓

食塩水も、速さも、割合も、やってることは全部同じ。表を書く → タテかヨコの合計を「=」で結ぶ → 2本の式ができる。パターンごとに覚え直す必要はないんだ。


夏休みにやるべきこと

この夏の連立方程式・文章題プラン
1週目:速さ・割合・食塩水を1問ずつ、表を書いてから解く(答えより表が書けたかを見る)
2週目:間違えた問題だけもう一度。全部やり直さない
3週目以降:2週目でまた間違えたものだけ。減っていく問題を追いかける

覚える時間より、テストする時間を増やすのが最短ルート。ノートを見返してる時間は、じつは頭がほとんど働いてない。思い出そうとした瞬間に記憶は定着するから、解く → 間違えたものだけ再テスト、を回していこう。

そして最後にもう一度だけ。

文章題で手が止まったら、式を書こうとせずに、まず表を書く。

これだけで、白紙だった答案が埋まりはじめる。福岡の入試は文章題で「割合」がよく出るし、そこは配点も大きい。今この単元を仕上げておけば、中3の1年間ずっと楽になるよ。

がんばれ。表、書こうな。


ろっく家庭教師は福岡県(大野城市・春日市・太宰府市周辺)で、中学生の「なぜ間違えるか」から立て直す個人指導をしています。

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