こんにちは、ろっく家庭教師です。
夏休みに入って、1学期の答案を持ってきてもらう時期になりました。中2生の答案を見ていて、毎年いちばん多いのがこれ。
計算はできてる。関数も半分は取れてる。でも証明の大問だけ、まっさらの白紙。
大野城市や春日市で指導していても、夏休み前の相談で「証明だけどうしても書けない」は本当に多いです。そして、ここでほぼ全員が同じ勘違いをしています。
「書く順番(型)」を教わっていないだけです。型を覚えれば、証明は作文じゃなく穴埋めになります。
まず確認:合同条件は3つしかない
証明で使う武器は、たった3つです。ここが曖昧だと絶対に書けないので、先に確認。
| # | 合同条件 |
|---|---|
| ① | 3組の辺がそれぞれ等しい |
| ② | 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい |
| ③ | 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい |
②の「その間の」、③の「その両端の」を飛ばして覚えている生徒がとても多いです。ここを省略して覚えていると、後で出てくる「つまずきパターン3」に必ずハマります。声に出して、この2つの言葉ごと覚えてください。
証明は「4行の型」で書く
三角形の合同の証明は、どんな問題でも次の4ステップです。順番も変わりません。
2行目:等しいものを3つ、理由つきで並べる(…①②③)
3行目:①②③より、〈合同条件〉がそれぞれ等しいので
4行目:△ABC≡△DEF
やることはこれだけ。つまり証明を書くときに考えるのは、「どの2つの三角形か」と「等しい3つは何か」だけです。文章を一から作る必要はありません。
そして2行目に書く「理由」は、実は4種類しかありません。
・共通な辺(角)だから(2つの三角形が重なって使っている部分)
・対頂角は等しいから(線が交わっている図なら真っ先に疑う)
・平行線の錯角(同位角)は等しいから(∥の記号があったら必ず使う)
図を見て「仮定・共通・対頂角・錯角」の4つを順番に探す。これが証明の考え方の正体です。ひらめきではなく、点検作業なんです。
つまずく3パターン
私が実際に赤ペンを入れていて、減点になっているのはほぼこの3つに絞られます。
パターン1:対応の順番がバラバラ
△AOCと△BODで
…
よって △AOC≡△DOB
(1行目と最後で、頂点の並べ方が変わってしまっている)
△AOCと△BODで
…
よって △AOC≡△BOD
(A↔B、O↔O、C↔D。対応する順にそろえる)
合同は「≡」の左右で、対応する頂点を同じ位置に書くのがルールです。1行目で△AOCと△BODと宣言したら、最後までその順番を崩さない。ここは知っていれば絶対に落とさない点なので、いちばんもったいない失点です。
パターン2:「なぜ等しいのか」の理由を書かない
これがいちばん多い。
AO=BO …①
CO=DO …②
∠AOC=∠BOD …③
(合っているのに、理由がゼロ)
仮定より AO=BO …①
仮定より CO=DO …②
対頂角は等しいので ∠AOC=∠BOD …③
証明は「答えを当てる問題」ではなく「なぜそう言えるかを説明する問題」です。だから理由のない等式は、たとえ正しくても点になりません。逆に言えば、理由を書き添えるだけで拾える点があるということ。
パターン3:存在しない合同条件を使ってしまう
2組の辺と1つの角が等しいから合同。
(その角が2辺の間の角じゃないのに使ってしまう)
使えるのは「2組の辺とその間の角」。
間の角じゃないときは、別の等しい辺や角を探し直す。
「2辺と、間じゃない角」では三角形は1つに決まりません。だから合同条件になっていない。冒頭で「その間の」「その両端の」を声に出して覚えてほしいと言ったのは、ここで効くからです。
書いたあとに、「この角、ちゃんと2辺の間にある?」「この2角、ちゃんと辺の両端にある?」と図で指差し確認する。これを習慣にすると、この失点は消えます。
練習問題3問(手を動かして)
型を覚えたら、あとは使うだけ。3問とも、上の4行の型に当てはめて書いてみてください。ノートに実際に書くのが大事です。読むだけだと絶対に書けるようになりません。
問題1
線分ABと線分CDが点Oで交わっている。AO=BO、CO=DO のとき、△AOC≡△BOD を証明しなさい。
問題2
△ABCで AB=AC である。辺BCの中点をMとするとき、△ABM≡△ACM を証明しなさい。
問題3
AB∥DC で、線分ACと線分BDが点Oで交わっている。AO=CO のとき、△AOB≡△COD を証明しなさい。
書けましたか? 答え合わせをします。
問題1の解答
仮定より AO=BO …①
仮定より CO=DO …②
対頂角は等しいので ∠AOC=∠BOD …③
①②③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
△AOC≡△BOD
∠AOCは辺AOと辺COの間の角。ちゃんと「間」になっているか確認できましたか。線が交わっている図が出たら、まず対頂角を疑う——これが型どおりの動きです。
問題2の解答
仮定より AB=AC …①
MはBCの中点なので BM=CM …②
AMは共通 …③
①②③より、3組の辺がそれぞれ等しいので
△ABM≡△ACM
ここのポイントは③の「共通」。2つの三角形が同じ辺を分け合っているとき、それは無条件で等しい。図を見て「重なってる辺・角はどこ?」と探す癖をつけてください。あと②は「仮定より」ではなく「Mは中点なので」と書くほうが丁寧で確実です。
問題3の解答
仮定より AO=CO …①
AB∥DCより、錯角は等しいので ∠OAB=∠OCD …②
対頂角は等しいので ∠AOB=∠COD …③
①②③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので
△AOB≡△COD
∠OABと∠AOBは、辺AOの両端の角。ここも指差し確認。そして∥の記号があったら錯角を使う、という反応ができれば、この問題は型どおりに解けます。
3問やって気づいたと思いますが、考えていたのは「等しい3つを探す」ことだけ。文章は毎回ほとんど同じでしたよね。それが型で書くということです。
福岡県の入試では「部分点」が取れる
福岡県の公立高校入試の数学は大問6題構成で、平面図形の大問がほぼ毎年出ます。中2の内容は入試全体のおよそ3分の1を占めるので、合同・証明を夏に固めておくと後がかなり楽になります。
「△○○と△□□で」と書いて、等しいものを理由つきで1つ2つ挙げるだけでも、白紙とは大きな差になります。
だから、わからなくても書き出しの1行は必ず書く。ここは全員が今日からできることです。
入試の証明は中3の相似でも出ますが、書き方の型は今日の4行とまったく同じです。つまり中2の夏に型を身につけておくと、中3の相似も、円周角も、同じ武器で戦えます。逆に、証明を白紙で通してしまうと、中3で二重につまずきます。夏に手を打つ価値がここにあります。
夏休みの練習のやり方
覚えようとしてノートを眺めている時間は、頭がいちばん働いていません。すぐテストするのが最短ルートです。
2.すぐ答え合わせ。×だったところに「対応の順番」「理由なし」「合同条件ちがい」のどれかをメモする
3.翌日、間違えた問題だけをもう1回書く。合っていた問題はやらない
同じ問題を2回書くのを嫌がる生徒は多いですが、証明は同じ問題を書き直すのがいちばん伸びる単元です。1日3問、10日で30問。夏休みの残り期間で十分間に合います。
まとめ
- 証明が書けないのは、ひらめき不足ではなく型を知らないだけ
- 型は4行:①2つの三角形を宣言 → ②等しい3つを理由つきで → ③合同条件 → ④≡で結論
- 理由は仮定・共通・対頂角・錯角の4つでほぼ足りる
- 減点の3パターンは対応の順番/理由を書かない/合同条件の勘違い
- 合同条件は「2組の辺とその間の角」「1組の辺とその両端の角」まで丸ごと覚える
- 福岡県入試の平面図形は部分点が狙える。書き出しの1行を絶対に捨てない
証明は、中学数学の中でもっとも「やり方を知っているかどうか」で差がつく単元です。センスではありません。今日の4行を持って、ノートに1問書いてみてください。書けたら、それがもう証明です。
保護者の方へ。お子さんが「証明だけできない」と言っている場合、数学全体が苦手なわけではないケースがほとんどです。書き方の型を1回教われば、そこだけ一気に埋まります。夏休みのうちに手を入れておくと、2学期の図形(平行四辺形・相似につながる部分)でつまずかずに済みます。福岡・大野城市・春日市周辺で個別に見てほしいという方は、気軽にご相談ください。
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