こんにちは、ろっく家庭教師です。

夏休みに入って、1学期の答案を持ってきてもらう時期になりました。中2生の答案を見ていて、毎年いちばん多いのがこれ。

計算はできてる。関数も半分は取れてる。でも証明の大問だけ、まっさらの白紙。

大野城市や春日市で指導していても、夏休み前の相談で「証明だけどうしても書けない」は本当に多いです。そして、ここでほぼ全員が同じ勘違いをしています。

最初に伝えたいこと
証明が書けないのは、頭が悪いからでも、ひらめきが足りないからでもありません。
「書く順番(型)」を教わっていないだけです。型を覚えれば、証明は作文じゃなく穴埋めになります。
👦
証明って、何から書けばいいのか全然わかんない。答え見たら「あーそうか」って思うんだけど、自分では書けない。
👨‍🏫
それ、めちゃくちゃ正常な反応だよ。答えを見て納得できてるなら、理解力の問題じゃない。「書き出し方」を知らないだけ。今日はそこだけやろう。

まず確認:合同条件は3つしかない

証明で使う武器は、たった3つです。ここが曖昧だと絶対に書けないので、先に確認。

# 合同条件
3組の辺がそれぞれ等しい
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい

②の「その間の」、③の「その両端の」を飛ばして覚えている生徒がとても多いです。ここを省略して覚えていると、後で出てくる「つまずきパターン3」に必ずハマります。声に出して、この2つの言葉ごと覚えてください。

証明は「4行の型」で書く

三角形の合同の証明は、どんな問題でも次の4ステップです。順番も変わりません。

合同の証明・4行の型
1行目:△ABCと△DEFで(← 注目する2つの三角形を宣言)
2行目:等しいものを3つ、理由つきで並べる(…①②③)
3行目:①②③より、〈合同条件〉がそれぞれ等しいので
4行目:△ABC≡△DEF

やることはこれだけ。つまり証明を書くときに考えるのは、「どの2つの三角形か」と「等しい3つは何か」だけです。文章を一から作る必要はありません。

そして2行目に書く「理由」は、実は4種類しかありません。

2行目で使える理由は基本この4つ
仮定より(問題文に書いてある条件)
共通な辺(角)だから(2つの三角形が重なって使っている部分)
対頂角は等しいから(線が交わっている図なら真っ先に疑う)
平行線の錯角(同位角)は等しいから(∥の記号があったら必ず使う)

図を見て「仮定・共通・対頂角・錯角」の4つを順番に探す。これが証明の考え方の正体です。ひらめきではなく、点検作業なんです。

つまずく3パターン

私が実際に赤ペンを入れていて、減点になっているのはほぼこの3つに絞られます。

パターン1:対応の順番がバラバラ

よくある間違い

△AOCと△BODで

よって △AOC≡△DOB
(1行目と最後で、頂点の並べ方が変わってしまっている)

正しい書き方

△AOCと△BODで

よって △AOC≡△BOD
(A↔B、O↔O、C↔D。対応する順にそろえる)

合同は「≡」の左右で、対応する頂点を同じ位置に書くのがルールです。1行目で△AOCと△BODと宣言したら、最後までその順番を崩さない。ここは知っていれば絶対に落とさない点なので、いちばんもったいない失点です。

パターン2:「なぜ等しいのか」の理由を書かない

これがいちばん多い。

よくある間違い

AO=BO …①
CO=DO …②
∠AOC=∠BOD …③
(合っているのに、理由がゼロ)

正しい書き方

仮定より AO=BO …①
仮定より CO=DO …②
対頂角は等しいので ∠AOC=∠BOD …③

証明は「答えを当てる問題」ではなく「なぜそう言えるかを説明する問題」です。だから理由のない等式は、たとえ正しくても点になりません。逆に言えば、理由を書き添えるだけで拾える点があるということ。

3つ
等式には全部、理由をつける
4種
理由は仮定・共通・対頂角・錯角でほぼ足りる

パターン3:存在しない合同条件を使ってしまう

よくある間違い

2組の辺と1つの角が等しいから合同。
(その角が2辺の間の角じゃないのに使ってしまう)

正しい考え方

使えるのは「2組の辺とその間の角」。
間の角じゃないときは、別の等しい辺や角を探し直す。

「2辺と、間じゃない角」では三角形は1つに決まりません。だから合同条件になっていない。冒頭で「その間の」「その両端の」を声に出して覚えてほしいと言ったのは、ここで効くからです。

書いたあとに、「この角、ちゃんと2辺の間にある?」「この2角、ちゃんと辺の両端にある?」と図で指差し確認する。これを習慣にすると、この失点は消えます。

練習問題3問(手を動かして)

型を覚えたら、あとは使うだけ。3問とも、上の4行の型に当てはめて書いてみてください。ノートに実際に書くのが大事です。読むだけだと絶対に書けるようになりません。

問題1

線分ABと線分CDが点Oで交わっている。AO=BO、CO=DO のとき、△AOC≡△BOD を証明しなさい。

問題2

△ABCで AB=AC である。辺BCの中点をMとするとき、△ABM≡△ACM を証明しなさい。

問題3

AB∥DC で、線分ACと線分BDが点Oで交わっている。AO=CO のとき、△AOB≡△COD を証明しなさい。


書けましたか? 答え合わせをします。

問題1の解答

解答
△AOCと△BODで
仮定より AO=BO …①
仮定より CO=DO …②
対頂角は等しいので ∠AOC=∠BOD …③
①②③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
△AOC≡△BOD

∠AOCは辺AOと辺COのの角。ちゃんと「間」になっているか確認できましたか。線が交わっている図が出たら、まず対頂角を疑う——これが型どおりの動きです。

問題2の解答

解答
△ABMと△ACMで
仮定より AB=AC …①
MはBCの中点なので BM=CM …②
AMは共通 …③
①②③より、3組の辺がそれぞれ等しいので
△ABM≡△ACM

ここのポイントは③の「共通」。2つの三角形が同じ辺を分け合っているとき、それは無条件で等しい。図を見て「重なってる辺・角はどこ?」と探す癖をつけてください。あと②は「仮定より」ではなく「Mは中点なので」と書くほうが丁寧で確実です。

問題3の解答

解答
△AOBと△CODで
仮定より AO=CO …①
AB∥DCより、錯角は等しいので ∠OAB=∠OCD …②
対頂角は等しいので ∠AOB=∠COD …③
①②③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので
△AOB≡△COD

∠OABと∠AOBは、辺AOの両端の角。ここも指差し確認。そして∥の記号があったら錯角を使う、という反応ができれば、この問題は型どおりに解けます。

3問やって気づいたと思いますが、考えていたのは「等しい3つを探す」ことだけ。文章は毎回ほとんど同じでしたよね。それが型で書くということです。

福岡県の入試では「部分点」が取れる

福岡県の公立高校入試の数学は大問6題構成で、平面図形の大問がほぼ毎年出ます。中2の内容は入試全体のおよそ3分の1を占めるので、合同・証明を夏に固めておくと後がかなり楽になります。

証明は0点か満点、ではない
証明は途中まででも点がもらえる問題です。
「△○○と△□□で」と書いて、等しいものを理由つきで1つ2つ挙げるだけでも、白紙とは大きな差になります。
だから、わからなくても書き出しの1行は必ず書く。ここは全員が今日からできることです。

入試の証明は中3の相似でも出ますが、書き方の型は今日の4行とまったく同じです。つまり中2の夏に型を身につけておくと、中3の相似も、円周角も、同じ武器で戦えます。逆に、証明を白紙で通してしまうと、中3で二重につまずきます。夏に手を打つ価値がここにあります。

夏休みの練習のやり方

覚えようとしてノートを眺めている時間は、頭がいちばん働いていません。すぐテストするのが最短ルートです。

証明の練習・3ステップ
1.教科書やワークの証明問題を、答えを見ずに5分だけ書いてみる(白紙のまま終わらせない。1行目は必ず書く)
2.すぐ答え合わせ。×だったところに「対応の順番」「理由なし」「合同条件ちがい」のどれかをメモする
3.翌日、間違えた問題だけをもう1回書く。合っていた問題はやらない

同じ問題を2回書くのを嫌がる生徒は多いですが、証明は同じ問題を書き直すのがいちばん伸びる単元です。1日3問、10日で30問。夏休みの残り期間で十分間に合います。

👦
えっ、これだけでいいの? もっと難しい問題を解かないとダメだと思ってた。
👨‍🏫
難しい問題も、結局この4行の型に入るだけなんだ。型で書けるようになった子は、応用問題でも「等しい3つを探す」に集中できる。まずは型を体に入れよう。

まとめ

証明は、中学数学の中でもっとも「やり方を知っているかどうか」で差がつく単元です。センスではありません。今日の4行を持って、ノートに1問書いてみてください。書けたら、それがもう証明です。

保護者の方へ。お子さんが「証明だけできない」と言っている場合、数学全体が苦手なわけではないケースがほとんどです。書き方の型を1回教われば、そこだけ一気に埋まります。夏休みのうちに手を入れておくと、2学期の図形(平行四辺形・相似につながる部分)でつまずかずに済みます。福岡・大野城市・春日市周辺で個別に見てほしいという方は、気軽にご相談ください。

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