「平方根、意味はわかるんだけど計算になると合わない」

中3の夏、いちばん多く聞く相談がこれ。大野城市や春日市の生徒を教えていても、1学期の期末で平方根が範囲に入った子はだいたいここで点を落としてる。

しかも厄介なことに、平方根はこのあと習う二次方程式・三平方の定理・相似の全部で使う。ここを曖昧なまま2学期に入ると、秋以降ずっと計算が合わないまま進むことになる。逆に言えば、夏休みの今なら間に合う単元でもある。

√2+√3
を√5と書く生徒が続出
3つ
の型に分ければ迷わない

この記事では、平方根の計算がグチャグチャになる原因を1つずつ潰して、**「見た瞬間にどの型か判断できる」**ところまで持っていくよ。


まず結論:平方根の計算は「3つの型」しかない

平方根の計算問題は、見た目はいろいろでも、やることは次の3つに分かれる。

平方根の計算 3つの型
型①【たし算・ひき算】 中身(ルートの中)が同じものだけまとめる
型②【かけ算・わり算】 中身どうしを自由にかけ算・わり算できる
型③【有理化】 分母にルートが残っていたら消す

つまずいてる子のほとんどは、この①と②のルールがゴチャ混ぜになってる。「ルートの中はかけ算できる」という②のルールを、たし算の①にまで持ち込んじゃうんだ。

ここを分けるだけで、平方根の計算ミスは激減する。順番に見ていこう。


型①:√2+√3=√5 がダメな理由

まずは一番多いミスから。

よくある間違い

√2 + √3 = √5
√2 + √2 = √4 = 2

正しい答え

√2 + √3 = √2 + √3(これ以上まとめられない)
√2 + √2 = 2√2

なぜダメなのか、数で確かめる

「ルールだから」で覚えると忘れる。実際の数で確かめてみよう。

一方で √5 ≒ 2.23。ぜんぜん違う数だよね。だから √2+√3 は √5 にならない

👦
じゃあ√2+√3って、答えどう書けばいいんですか?
👨‍🏫
そのまま「√2+√3」が答え。これ以上まとめられないんだ。テストでも普通に答えになるよ。
👦
えっ、それで丸なんですか。もっと簡単にしなきゃダメだと思ってました
👨‍🏫
そこなんだよ。「まとめなきゃ」って気持ちが、間違った√5を書かせてる。

たし算・ひき算は「文字式と同じ」と考える

ここが一番のコツ。√2 を x、√3 を y だと思ってみて。

これと完全に同じ。

型①のルール
たし算・ひき算は「ルートの中が同じもの」だけまとめられる。
中身が違ったら、あきらめてそのまま置いておく。それが正解。

落とし穴:中を小さくすると、まとめられることがある

ただし、これに引っかかる子が多い。

√8 + √2 は?

「中が8と2で違うからまとめられない」——と即答したら、それは早い。√8 は簡単にできる

√8 = √(4×2) = √4 × √2 = 2√2

だから √8 + √2 = 2√2 + √2 = 3√2

手順を1段はさむ
たし算・ひき算の前に、必ず「ルートの中を小さくできないか」を先にチェックする。
√8=2√2、√12=2√3、√18=3√2、√27=3√3、√50=5√2 あたりは覚えてしまっていい。

中を小さくするやり方は、中身を「◯×◯(同じ数のペア)」に分けるだけ。√12 なら 12 = 4×3 = 2×2×3 なので、2のペアが1組できて外に出て 2√3。


型②:かけ算だけは中身どうしをかけていい

たし算がダメなのに、かけ算はOK。ここが混乱の元だから、はっきり区別しよう。

同じ「2と3」なのに、かけ算は中身が合体して、たし算は合体しない。理不尽に見えるけど、さっきの文字式で考えれば当たり前で、x × y = xy はまとめられるけど、x + y はまとめられないのと同じこと。

混ざってる状態

「ルートの中は計算できる」とだけ覚えている
→ たし算でも中を足してしまう

整理された状態

かけ算・わり算 → 中身どうしOK
たし算・ひき算 → 中身が同じ時だけ

かけ算の答えも、最後に中を小さくする

2√3 × √6 を計算してみよう。

  1. 外どうし・中どうしで分けてかける → 2 × √(3×6) = 2√18
  2. √18 を小さくする → √18 = √(9×2) = 3√2
  3. よって 2 × 3√2 = 6√2

ここで「2√18」で止めて✕になる子がとても多い。答えを書く前に、必ずルートの中がこれ以上小さくならないか確認する。これはクセにするしかない。


型③:分母にルートが残っていたら消す(有理化)

最後は有理化。名前が難しそうだけど、やることは1つだけ。

有理化のやること
分母のルートと同じものを、分母と分子の両方にかける。
それだけ。上下に同じ数をかけても大きさは変わらないから、これは合法。

例:3/√2 を有理化する。

分母が √2 なので、上下に √2 をかける。

3/√2 = (3×√2)/(√2×√2) = 3√2/2

分母の √2×√2 が 2(ルートが消える)になるのがポイント。√a × √a = a は必ず覚えておこう。

👦
なんで分母のルート、わざわざ消すんですか?そのままでも答えは同じでは
👨‍🏫
いい質問。大きさは同じだけど、テストでは「分母を有理化して答える」のが約束なんだ。ここを飛ばすと減点される。
👨‍🏫
あと実用的な理由もあって、有理化しておくと後の計算がラクになる。3/√2 と 3√2/2 なら、後者のほうが足し算しやすいでしょ。

有理化でつまずく2パターン

パターンA:分子にもルートがある

√3/√5 → 上下に √5 → (√3×√5)/(√5×√5) = √15/5

分子は √3×√5=√15 と中身をかける(型②のルール)。ここでうっかり足さないこと。

パターンB:分母の中が小さくできる

4/√8 → いきなり √8 をかけずに、まず √8=2√2 に直す。

4/(2√2) = 2/√2 → 上下に √2 → 2√2/2 = √2

先に整理してから有理化すると、数字が小さくて済むし約分ミスも減る。「中を小さく → 有理化」の順番を守ろう。


練習問題3問(手を動かそう)

読むだけだと絶対に身につかない。紙とペンを出して、実際に書いてみて。

(1) √27 − √3

(2) 3√2 × √10

(3) 6/√3


解答と解説

(1) √27 − √3 = 2√3

まず √27 を小さくする。27 = 9×3 なので √27 = 3√3。 よって 3√3 − √3 = 2√3(3個から1個引いて2個)。

※ ここで「√27−√3=√24」としたら型①のミス。中身の引き算はできない。

(2) 3√2 × √10 = 6√5

外どうし・中どうしに分ける → 3 × √(2×10) = 3√20。 √20 = √(4×5) = 2√5 なので、3 × 2√5 = 6√5

※ 3√20 で止めると✕。最後に中を小さくするのを忘れずに。

(3) 6/√3 = 2√3

上下に √3 をかける → (6×√3)/(√3×√3) = 6√3/3。 最後に 6÷3=2 で約分して 2√3

※ 6√3/3 のままだと減点されることがある。約分できないか最後に見るのは平方根に限らず全部の計算で同じ。

3問とも共通していたこと
どの問題も、最後に「もう1段整理できないか」を見るところで差がついている。
平方根で点を落とす子の多くは、解き方を知らないんじゃなく1段手前で止めているだけ。

見直しのときに見る3ヶ所

テストで平方根が出たら、答えを書いたあとにここだけ確認して。10秒で終わる。

  1. ルートの中に、4・9・16・25 が隠れてないか(√8、√12、√18、√20、√27、√32、√48、√50 は要注意)
  2. 分母にルートが残っていないか
  3. 外の数字が約分できないか

この3つを見るだけで、平方根の失点はかなり減る。実際、指導していて「解き方はわかってるのに点が伸びない」子は、ほぼ全員この見直しをしていない。


福岡県入試との関係:平方根は「大問1」で必ず出る

福岡県の公立高校入試の数学は、大問1が小問集合になっていて、そこに平方根の計算がほぼ毎年入っている。しかも配点はそこそこあるのに、難易度は教科書レベル。

つまり平方根は、入試本番でいちばん取りこぼしたくない問題なんだ。関数や図形の後半で苦戦するのは仕方ないとしても、ここは全員が満点を取りにいく場所。

中3の夏にやるべきこと
平方根は「新しくて難しい単元」に見えるけど、実際はルールが3つしかない計算単元
夏休みのうちに毎日5分、10問だけ解く。それだけで2学期の二次方程式・三平方の定理が一気にラクになる。

やり方は、いつも伝えているテスト繰り返し法でいい。10問解く → すぐ丸つけ → 間違えたものだけもう一度解く → 全部合うまで繰り返す。眺めて覚えようとする時間は、ほとんど頭が働いていない。手を動かして間違えた瞬間がいちばん記憶に残るから、そこを回数で稼ぐんだ。


まとめ

平方根でつまずいてる子は、頭が悪いんじゃなくてルールが混ざってるだけ。3つの型に分けて整理すれば、その日のうちに手が動くようになる。実際、教えていて一番「その場で変わる」単元がここなんだ。

大野城市・春日市周辺で「中3の夏、どこから手をつければいいかわからない」というご家庭があれば、まずこの平方根から一緒に整理していこう。ここが固まると、2学期の伸び方が変わるよ。

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