勉強はしているのに、テストになると点が取れない。そんなことはありませんか?
点が取れないとき、私が考える理由は「テストをしていない。自分を試していない」ことです。サッカーで、ふだんリフティングしかしていない人が、試合に出ていきなりシュートを決めようとするようなものです。
私は家庭教師をしながら、生徒のために作った勉強アプリを、全部無料で公開しています。英単語・計算・漢字・理科・作図の5つと、予想模試です。どれも「本当にできるようになったか」を、その場で確かめられる作りにしています。登録なしで使えます。
この記事では、なぜそういう作りにしているのかを、私の考えと研究からお話しして、そのあとアプリを1つずつ紹介します。
私の考え:できるようになったかは、テストで確かめる
私は、暗記はテストで行うものだと考えています。おすすめしているのは、次の流れです。
めざすのは、テストで使える状態です。テストで使える状態とは、問題を見た瞬間に解ける状態のことです(じっくり考える問題は別です)。
そこまで来たかどうかを見るのは、かけた時間ではなく点数です。何回くり返せばいいか、決まった回数もありません。結果が出るまでです。自分でテストしておけば、その点数で、できる・できないがはっきり分かります。
間違えたときは、すぐに確かめます。できなかったら、もう1回確かめる。手を動かしながら一つずつ納得していって、最後は何にも頼らずに解けるようにします。
アプリをどれも、「本当にできるようになったか」をその場で確かめられる作りにしているのは、このためです。
これは、私の感覚だけで言っていることではありません。ここからは、テストで確かめることの効果を調べた研究を紹介します。
研究:一度できたものも、テストし続けると1週間後に残る
アメリカの研究者カーピックとローディガーは、大学生に、スワヒリ語と英語の単語の組み合わせ40組(たとえば「mashua=boat」)を覚えてもらいました。読む時間とテストをくり返しながら覚えていき、一度正しく答えられた単語の扱いを、4つの組で変えています。その後もテストし続けた組が2つ、テストから外した組が2つです(読み直しを続けるかどうかも、組によって変えています)。
覚える段階の進み方は、4つの組でほとんど同じでした。「1週間後にいくつ覚えていると思うか」という本人たちの予想も、どの組も40組中20〜22組くらいで、差はありませんでした。
ところが、1週間後に本番のテストをすると、はっきり分かれました。
テストから外した組では、読み直しを続けても続けなくても、結果はほとんど変わりませんでした。差を生んだのは、一度言えた単語を、その後もテストし続けたかどうかでした。
この研究は、英単語ノートの記事でくわしく紹介しています。中学2年生の理科の授業で小テストの効果を調べた研究も、そちらで紹介しています。
だからアプリは、こう作ってあります
私の考えと研究にあてはめると、アプリの作りはこうなっています。
・その場で答え合わせ:計算ドリルと理科ドリルは答えが、漢字ドリルは読みと音訓が、間違えたその場で出ます。作図シミュレーターは、かいた作図を自動で判定します
・間違えたものは、もう一度:計算ドリルと理科ドリルは、間違えると、同じ単元の問題が数字を変えて最後にもう1問出てきます。漢字ドリルは、間違えた字が「苦手な字」に残り、何度でも出てきます
・1回できただけでは外さない:漢字ドリルは間違えた字を3回続けて正解するまで、計算ドリルと理科ドリルは苦手な単元を3回続けて全問正解するまで、苦手のリストから外しません(研究の「テストし続ける」と同じ向き)
・まとめて、もう一度テスト:英単語ノートと、計算・漢字・理科の各ドリルには、週テストがあります(研究の「テストし続ける」)
・受けたその場で採点:予想模試のWeb版は、解き終わったその場で採点が出ます(式や記述の問題は、模範解答を見て自分で○×をつけます)
「3回続けて」は、研究で、一度言えた単語をテストから外した組が1週間後に3割台だったことと同じ向きの作りです。ただし、3回という回数そのものは、研究で決まったものではありません。
5つのアプリと予想模試
英単語ノート(中1〜大学受験レベル)
見るのは短く、あとは全部テスト。間違えた語だけもう一度テストして、全部○になったら、最後にもう一度ぜんぶテストします。中1から大学受験レベルまで、11コース・約3,900語です。
使い方は、英単語ノートの記事で、実際の画面を使って説明しています。
計算ドリル(小1〜高3・75単元)
単元を選んで、1回20問(10〜50問から選べます)。間違えるとその場で答えが出て、同じ単元の問題が数字を変えて最後にもう1問出てきます。
- 問題は、解くたびにその場で作られます
- 間違えた単元は「苦手な単元」にたまって、あとから見られます
- 週テストは、その週にやった単元から出ます
- テスト前は「大テスト」で全範囲から出して、苦手をあぶり出せます
漢字ドリル(小1〜高3・読みも書きも)
漢字、1回書けたら「覚えた」ことにしていませんか? 私の生徒にも使ってもらっているこの漢字ドリルは、連続3回正解しないと「覚えた」になりません。
はじめに、その日の字を熟語つきで見て(1字6秒・10字なら60秒)、すぐテストです。間違えた字は、何度でも出てきます。
間違えると、その場で読みと音訓が出ます。
- 連続3回正解で「覚えた」判定。苦手リストから外れます
- 答え方は3つ(4択/入力/ノートに書いて採点)
- 学年で選べます(小1は80字 … 高3は198字)
理科ドリル(計算の問題・26単元)
理科は暗記科目だと思われがちですが、質量パーセント濃度、オームの法則、仕事、圧力のように、計算で答える問題もあります。このへんだけをくり返せるドリルです。中学理科・高校化学・高校物理の計算問題が、全26単元。1回20問(10〜50問から選べます)で、間違えるとその場で答えが出て、同じ単元の問題が数字を変えて最後にもう1問出てきます。
- 問題の数字は、その場で作られます
- 苦手な単元は、3回続けて全問正解すると外れます。単元ごとの正答率もたまります
- テスト前は「大テスト」で全範囲から出して、弱点を見つけてから単元をつぶせます
作図シミュレーター(中学数学・25問)
作図をノートで練習していると、コンパスの跡が消えて、どこで間違えたか分からなくなりませんか?
定規とコンパスだけで作図を練習できるサイトです。点をタップして線をひき、コンパスをまわして弧をかくと、自動で正誤を判定します。
詰まったら「お手本を見る」で、手順を1つずつ動かして見せてくれます。
- 垂直二等分線・角の二等分線・垂線から、60°・45°・120°の作図、外心・内心・接線まで25問
- 「判定する」で、手順も条件も合っているかを見ます(線を引いただけでは正解になりません)
- 自由に作図するモードもあるので、授業の説明にも使えます
お手本で手順が分かったら、最後は何も見ずに自分でかいて、「判定する」で確かめてください。
予想模試(都立高校入試・共通テスト)
模試、受けっぱなしになっていませんか?
返ってくるのが遅いと、その頃には何を間違えたか忘れています。なので、スマホでその場で受けて、その場で採点まで出る予想模試を作りました。本番と同じ時間・同じ形式で、無料です。
解き終わったら「採点する」を押すと、その場で採点が出ます。
- 東京都立高校入試(数学・50分・100点満点・全19問)と、共通テスト 数学Ⅰ・A(70分・全23問)
- タイマーつきで、本番と同じ時間配分の練習ができます
- Web版は、数字やマークで答える問題をその場で自動採点。式や記述の問題は、模範解答と解説を見て自分で○×をつけます。印刷したい人にはPDF版もあります
- AIで出題傾向を分析し作成した問題です(過去問の転載ではありません)
採点が出たら、その日のうちに、間違えた問題を自分で調べてやり直してください。直す順番は、数で決めます。間違えた理由を集計して、いちばん多いものから優先して直します。
テストで点を取るには、テストをするしかない
くり返しになりますが、テストで点を取るには、テストをするしかありません。毎日でもテストするつもりで、やっていきましょう。
アプリはどれも登録なし、無料で使えます。5つのアプリは、トップページからも選べます。
どのアプリから使えばいいか迷ったときは、学年と今の状況をお問い合わせから教えてください。
参考文献
- Karpicke, J. D., & Roediger, H. L. (2008). The critical importance of retrieval for learning. Science, 319(5865), 966–968.(本文)
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